居住運用という不動産投資

セミナーの勧誘、youtubeで情報を得るなど

不動産投資をする方も増えてきています。

不動産投資は①家賃収入(インカムゲイン)と

②譲渡益収入(キャピタルゲイン)の2つだと

思っていませんか?

住宅ローン控除や国の税制優遇を利用した居住運用

という形の投資がベストかと思います。(不動産投資をするなら)

ローンを組んでまで ①家賃収入と②譲渡益収入はおすすめできません

実態以上の支出があり、当初の利率ほど稼げない仕組みが多い為です。

東京都内など立地の良い場所で住みたい方は

③の居住運用という選択肢は知っておきましょう。

この記事を読んでもらうことで、

・①不動産投資(家賃収入)の注意する点

・②不動産投資(譲渡益収入)の注意する点

・③不動産投資(居住運用)とは何か

・④居住運用するメリット・デメリット

がわかります。

①不動産投資(家賃収入)の注意する点

家賃収入とは、賃貸物件を購入して、人に貸し出すことで得られる家賃収入です。

3,000万の物件を購入して毎月10万円の家賃が入ると、年間120万年の家賃収入です。

3,000万の投資で120万得られるので年間4%利回り(インカムゲイン)と言われます。

株に例えると

3,000円の株を購入して120円の配当金をもらえると4%利回り(インカムゲイン)がある

という話と同じですね。不動産投資(家賃収入)で注意する点を見ていきましょう。

資産の流動性がない

ワンルームマンション投資など「月々⚪︎円から」と手軽さや

紹介された不動産の営業から断れずに購入される方までいらっしゃいます。

安い物件で3,500万円くらいから1億円の物件で投資することになります。

利率が仮に6%の収入があったとしても、その資産はすぐに現金化できません

また、修繕積立費や固定資産税、都市計画税などの支払いが出てきます。

普段の固定費が増えるため、不動産投資以外のお金まで圧迫されます。

やがて築年数が増えると家賃収入の低下、修繕費の増額で

気づけば支出のほとんどが不動産投資に消えていくケースが多いです。

思わぬ出費(病気、解雇)などで現金が必要になった際には物件を手放す

ことになります。その際は物件の相場よりかなり低い価格でも即座に

手放すことになるでしょう。

また全体の3%の仲介手数料も発生しますので全額ローンで不動産物件を

を購入した場合は最悪の場合は自己破産する人もいます。

家賃収入には取得税がかかる

家賃収入は不動産所得でかつ累進課税です。

収入額によって5%から45%と7段階級の税額がかかります

1棟購入して、相当の不動産収入があったとしても

最高で約半分(45%)の税金が取られることになります。

それでも街中には新しい不動産物件がたくさん新築されていますよね。

たくさん土地を持っている人が相続税対策でアパートを建築したり

本業の取得税を減らすために不動産で赤字(損失)をわざと

作って所得税を減らすテクニックを使っている人もいます。

つまり、賃貸不動産の物件は過剰供給されており、簡単に家賃収入で

儲けようと思っていても利回りが稼げない地域が多いのが実態です。

②不動産所得(譲渡所得)の注意する点

不動産所得(譲渡所得)とは不動産物件を購入して、その後に物件を売却する

ことで得る所得のことです。都心部だと「3,000万で買った物件が4,000万円で

売れた」など聞いた事があると思いますよね。

株と同じで、3,000円で買った株が4,000円で売れたら差額の1,000円が儲けに

なるのと同じですね。この譲渡所得はキャピタルゲインと呼びます。

不動産投資(譲渡所得)の注意すべき点を見ていきましょう。

5年間は短期譲渡所得のデメリット

3,000万円で購入した物件が値上がりして4,000万円で売れた場合の

譲渡所得は1,000万円です。しかし5年以内の所有期間の間に物件を

売却することを短期譲渡所得と言います。

短期譲渡所得では40%の税金が取られてしまいます。1,000万円の利益から

400万円の税金が取られるということです。

5年以上では長期譲渡所得と言って20%の税額に下がります。

株や投資信託、債券などの譲渡所得は20%です。

2024年から株や投資信託では新NISA 新つみたてNISAなどで

年間360万円もの収益が非課税になります。

わざわざ不動産の譲渡所得で運用するメリットは少ないと思います。

不動産は5年間は手放すデメリットが多く、資産の流動性が悪くなる点も

覚えておきましょう。

天災のリスクがある

日本は地震大国でもありますので、東京都23区の一等地であっても

地震による液状化などのリスクがあります。

予期せぬ物件価格の暴落は不動産譲渡所得のリスクです。

温暖化により局地的な雨が発生しやすくなっています。

思わぬ冠水地域になってしまい地価を押し下げる要因は

地震だけではありません。

“一等地に買えば良い“とは限らないので、天災のリスクも考えておきましょう。

③不動産投資(居住運用)とは

居住運用とは住宅ローン減税やフラット35などの低金利を利用して

資産価値が目減りしない都市部の物件を購入して

居住空間を確保します。物件価格が高騰していれば

居住用財産の譲渡に係る特例を利用して売却する

選択肢がある状況のことです。

“家活“とも呼ばれていますね。

資産価値が下がらない住居購入は運用していることと同じ

日本の制度は“家を購入すること“は経済が回ると考えられています。

住宅購入には優遇されている税制や国策が多いです。

そのため、フルに制度を利用しながら住宅を購入する事が

運用しているのと同じ価値があるという考えです。

(※資産価値が下がらない物件に限りますが)

サラリーマンであれば、賃貸での家賃は税額控除の対象には

なりません。しかし、ローンを組むと住宅ローン減税など所得税を

減らす事ができるのです。

具体的な③不動産投資(居住運用)のメリットやデメリットを見ていきましょう。

③不動産投資(居住運用)のメリット デメリット

メリット 住宅ローン控除で10年✖️20万円以上が控除

住宅ローン控除を受ける要件をチェックしましょう

レ 床面積50㎡以上2分の1以上が自己住居用であること(新築)

レ 新耐震基準適合住宅であること(中古物件)

レ 金融機関等からの借入れで償還期間10年以上であること

レ 住宅取得の日から6カ月以内に居住市、控除を受ける年の12月31日まで引き続き居住する

レ 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下である

住宅ローン控除は新築で13年間、中古でも10年間は借入額の0.7%を

控除できる制度です。(※借入の額には限度が定められています)

3,000万の借入に対し0.7%で21万円の控除になります。

住宅購入の初年度のみ確定申告は必要ですが、2年目以降は年末調整で

控除されるのでとても簡単に税制が利用できます。

サラリーマンは所得税に控除できる仕組みが少ないので、

所得税を減らすチャンスにもなります。

メリット2 不動産取得税 課税標準の特例

不動産の購入時には不動産取得税という都道府県税が発生します。

税額は固定資産税評価額✖️4% になります。

(2024年3月31日までは特別措置で 3%)

新築住宅は床面積50㎡以上240㎡以下で1200万円の控除

中古物件は築年数に応じて控除額が異なります。

メリット3 居住用財産の譲渡に係る特例 共同所有で6,000万円の特別控除になる

居住している財産を譲渡した場合、譲渡所得に対し3,000万円の所得税が

免除されます。夫婦で共同所有していれば、6,000万円が譲渡所得無税になります。

しかも、所有期間の長短は問いませんので、すぐに売却することも可能です。

通常の譲渡所得は5年以内で40%の税額、5年以上でも20%の譲渡所得に税金が取られます。

この制度は資産の流動性も兼ねているので、最もメリットが高いと思います。

住宅を購入する時は、夫婦で共同所有にすることを忘れずにしましょう。

デメリット1 地域に住みたい人は選択肢が少ない 

リモートワークが普及してきた今では、地域へ移住する人も多いですよね。

郡部地域では子供を良い環境で育てたいなど、メリットはたくさんありますが

不動産物件が毎年1%以上値下がりしない物件はほとんどありません。

つまり住宅購入は住むための支出になってしまい、資産運用としては

居住運用できないケースがほとんどになります。

デメリット2 金利リスクがある

日本は現在 低金利なので住宅を安く購入することができます。

金利が上がると住宅購入の需要も落ちてしまい

物件価格の暴落も予想されます。

日銀が金利をあげるなど、常に金利にはチェックする必要があります。

最近では欧米が金利上昇を取り組んでいるので、円安が進行してしまいます。

欧米の金利に対抗するため日本も金利を上げることになるでしょう。

欧米の金利も定期的に確認しましょう。

不動産投資(居住運用)に興味があれば、沖有人さんの本はおすすめです。

以下に「独身こそ自宅マンションを買いなさい」のリンクを貼っておきます。

自宅を購入した方が良い人、賃貸の方が良い人のチェックリストもあるので

自宅を不動産投資に考えている人は是非おすすめの1冊です。

独身こそ自宅マンションを買いなさい

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